医療法人A様(石川県金沢市)、戦略経営による損失決算からの脱却
医療法人A様(石川県金沢市)の事例
医療法人A様は、医業承継、競合の出現、建て替えなど大きな転機を迎えている時にコンサルティング依頼をいただきました。経営状態を向上させつつ、いかにして医業承継を行ったかを紹介します。

コンサルティングスタート時の院長の悩み
- 承継を期に、建て替え或いはリフォームを検討したい
- 承継を期に院外処方を検討したい
- 後継者に経営者としての知識や心構えを吸収してほしい
- 近隣で同診療科の新規開業情報があるので差別化を図りたい
- 院長の意に反して損失決算になったことがあり、業績の把握と予測が出来ていない
1. 診断・患者分布診断
院長並びに関係者へのヒアリングを実施、同時に患者分布診断を行いました。
診断内容
- 診療を継続して建て替えをするには、かなりの期間とコストがかかる
- 現状の建物のリフォームでも十分な医療環境と職場環境を得られる
- 院外処方により収益が低下するが、調剤に関わる人材を継続雇用するため、法人の利益が減る
- 後継者が経営状況を把握出来ていない(その環境が無い)
2. 経営ビジョン・戦略の明確化・可視化
次に院長が思い描くクリニックの5年後の理想像についてヒアリングを行いました。クリニックのビジョン(目標地点)を明確にするためです。そして、その目標に向かって、現状とのギャップをどのような方法で埋めるか戦略を立案しました。
以下の重点施策を見出しました。
- 必要利益確保のための戦略を検討
- 単年度の経営計画を策定
3. 施策実施サポート
以下の項目の実施サポートを行う
- 設備投資、院外処方化による薬材未払金の精算のため、銀行と融資交渉
- 院外処方により患者対応などの業務の流れが変わるため、スタッフ教育を実施
- 院外処方による減益に対しての対策を実施
- 近隣での新規開業に対しての対応策を検討
4. PDCAサイクル運用
毎月役員会を主宰し、顧問税理士事務所作成の月次試算表を元に、現況把握と改善提案を検討しました。また、院長の意向を後継者に伝える、或いは院長と後継者の見解の相違を解消させるサポートを実行しました。
コンサルティング1年後の評価
定性評価
- スタッフの応対が変化し、患者からの評価も非常に良好になりました
- 患者増加することで増収につながり、新たな設備投資ができました
- 後継者が現状を理解し、経営計画やPDCAの必要性を明確に理解していただきました
- 法人の経営計画を元に行動できるため、学会参加や設備投資などの目途が付きやすくなりました